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「砂絵」の絶対矛盾

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 田坂広志 「風の便り」 特選  第90便    
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 「砂絵」の絶対矛盾



 チベット仏教に、砂絵曼荼羅というものがあります。

 大切な儀式に際して、
 仏教の僧侶たちが、
 五色の砂を用い、七日間かけて、
 極色彩の曼荼羅を描くのです。

 この砂絵曼荼羅の儀式においては、
 それを行う僧侶に、
 超人的な集中力と忍耐力が求められます。

 僧侶たちは、
 驚異的な集中力と忍耐力によって、
 一つ一つの砂粒に全身全霊を込め、
 深い祈祷を捧げながら、
 この砂絵曼荼羅を完成させていくのです。

 しかし、この儀式が終ったとき、
 チベット仏教の僧侶たちは、
 この砂絵曼荼羅を
 一瞬にして崩してしまいます。
 そして、その砂を、川に流してしまうのです。

 何日間もの長い時間をかけ、
 膨大な精神のエネルギーを注ぎ込み、
 心を込めて創り上げたその曼荼羅を、
 何のためらいもなく、崩してしまうのです。
 そして、流し去ってしまうのです。


 その砂絵曼荼羅の儀式を見ていて、感じます。


 そこには、我々の人生がめざすべき
 究極の相が、ある。


  全霊を込めて創り上げ、
  無心の境地で流し去る。


 その「絶対矛盾」の相が、あるのです。



 2003年1月2日
 田坂広志

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