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田坂広志氏 「風の便り」

田坂広志さんから「風の便り」が届いたのでこちらにも転載させていただきます。
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 田坂広志 「風の便り」 特選  第23便    
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 「一つ目国」の悲劇



 ある旅人が、旅の途中で道を見失い、
 不思議な国に迷い込んでしまいました。

 その国は、一つ目人間の国だったのです。

 その国の住人は、誰もが、目が一つしかない人々であり、
 旅人のように目が二つある人間は、
 一人もいなかったのです。

 その国に迷い込んだ当初、
 旅人は、変わった風貌の住人を見て驚き、
 そして、しばらくは、
 彼らを不思議に思って眺めていました。

 しかし、その国で過ごすうちに、
 旅人は、だんだん孤独になってきました。

 自分だけが二つの目を持つことが
 異常なことのように思われてきたのです。

 そして、その孤独のあまり、
 ついに、その旅人は、
 自ら、片方の目をつぶし、一つ目になったのです。


 この旅人の悲劇は、決して、
 遠い彼方の国の物語ではありません。

 なぜなら、
 我々も、しばしば、
 この旅人のように、
 自ら、片方の目をつぶそうと考えてしまうからです。


 自分自身であることの孤独。


 そのことに、耐えられず、
 自分自身であることを
 やめようと考えてしまうのです。



 2002年8月22日
 田坂広志




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